パパ

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ぼくのなまえは「かつき」といいます。  3さいです。  パパとママとバーバとみどりといっしょにすんでいます。みどりはおばさんなんだけど、おばさんっていうとおこります。ママのいもうとです。  たんじょうびというものがあって、そのひはいつもおいしいものがたべられて、おもちゃをみんなくれます。3がつになったらすぐにたんじょうびがきます。  みんなもうすぐだよっておしえてくれます。  もうすぐケーキがたべられる。  ママがなんだかたのしそうなので、ぼくもうれしい。  パパのことはすごくすきなんだけど、いまはあんまり、おうちにいません。  ママはパパのはなしをするととてもかなしがります。  ときどきパパとでんわでおこります。そのときはぼくも、「パパのばーか」といいます。  いわないとママがかわいそうなので。  まえのたんじょうびはパパがいてくれました。  でもあたたかくなってからパパはいなくなりました。  かわりにこのまえから、かつきがあしをけがしたあのひから、ときどきあのひとがやってきて、ごはんをたべます。ママはとてもたのしそうに、あのひととしゃべります。あのひとはぼくにもしゃべりかけます。  ぼくのことをすきだといいます。  ふーん。  よくわからないけど、すきなんだ。  ぼくはパパもすき。  ママもすき。  バーバもすき。  アンパンマンもすき。  ケーキもすき。  すきってどういうこと……?  たべたいってことかな。
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