お客様とあたしの仕事o

5/8
43人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
体を拭いて,そのまま仕事にo ベットの中で魚みたいにo お客様を満足させる為に,四肢を駆使し 少しずつ,誘ってゆくo 慣れた流れ,慣れた演技…o : 『うまいんだねえ』 男は,煙草に火を着けながら さっきまで熱を帯ていた体を 冷ますように言ったo 『そんな事ないよ』 愛想笑いに疲れてきた時… : ピピピピ : タイマーが鳴ったo (…終わった…) 無機質な音なのに,あたしは この音が心の支えになっているo : お風呂に入って,服を着て お店にコールして… : 『ありがとおo楽しかった』 そういいながら,あたしはバックを 肩にかけたo 『はるかちゃん,忘れ物だよ』 差し出されたのは,お金o : 2万3千円o …それが,あたしの価値o お金をくれるお客様なら, 誰でもあたしを抱けるo …それがあたしの値段だからo : 『…ありがとう』 もらったお金をくしゃっとバッグに 詰め込むと部屋を出たo 外に出るとドライバーが待機していたo ほてった体に風が突き刺さるo
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!