浅田剣一1

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 ちなみに、今日の俺のピッチングは被安打3。  歌川以外はパーフェクトで抑えてる。  特に、歌川の後を打つこの2番はカモだ。  おそらく、予告しても打てないだろう。  前の打席で、ようやくストレートを当てたのが精一杯で、歌川のように打ち返す程じゃない。  でもまあ、さすがに3打席目ならストレートに合ってくるかもしれない。  まだ0対0。向こうのピッチャーもよく投げているが、情報通りだと、そろそろ崩れる頃。  まあ、試合の前半にカットやセーフティーで走らせたウチのイヤラシイ作戦もあるわけだが(笑)  まあ、2番は最初からバントの構え。バスターはあり得ない。  低めの変化球で、キャッチャー前に転がさせて、ダブルプレー。  まあ、理想だけど。  初球、低めのスライダー。  その時、俺は肝心なことを忘れていた。  1塁ランナーは、3塁打も打った足の速い歌川であることを。  ――単独スチール!  内野の「走った!」の声で気づいた時にはもう時すでに遅し。  簡単にやられた。  
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