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その後またノーヒットで後続を抑えて、歌川をセカンドに釘付けにした。
で、ようやく先制点。
フォアボールとヒットでノーアウト2・3塁。
バッターは俺。
センター後方に運び、きっちり犠牲フライ。
そこからは5連打の猛攻。一気に合わせて4点をもぎ取った。
勝った。
しかし、先制したウチのチームに緊張が走った。
『ピッチャーの清水君に代わりまして、中山君が入り、ショート…』
って、
『ショートの歌川君が、ピッチャー。1番、ピッチャー、歌川君…』
あの野郎、ピッチャーもやるのかよ。
確か、2番手は時田とかって11番付けてるヤツのはず。
ここまで来たら、ピッチャーとしての力じゃないな。
一高の中で一番勝ちに来てる選手が、歌川だったわけだ。
投球練習を見る限り、歌川は経験者だ。
先発のヤツより球が速い…や、140出てるかも。
もう、気力で投げてきてる。
油断するなよ、俺。
油断したらこの試合、
歌川によって負けちまう。
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