キャンプ(後半)

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 自己チューってわけじゃないんだけど、  打線が信用できないとわかってから、  自分を信じてストイックに鍛えるようになった。  ピッチャーとしてだけでなく、バッターとしても。 「そういや、決勝もお前のバットからだったもんな」 「まあな」  全体練習の後、駆を呼んで室内練習場でトスバッティングをしていた。 「手負いのエースじゃ、俺は抑えられねーよ」  あの試合、一高のエースが万全の状態でないのを知ったのは、試合が終わった後。 「まあ、あのイニングは後手後手に回っちまったからな」  やっぱ、先に仕掛けれるヤツが勝てるよな。 「なあ」 「ん?」  思い付いた。 「俺ホームラン打ったら何かくれ」 「はぁ!?」 「だって、なかなか打席立つことも無えし」 「まあ、そうか…」  よし、もう一押し。 「…好きな女子アナのアド教えるからさ」 「乗った!」  こーゆー時、有名人も悪くないなって思う。
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