キャンプ(後半)

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 夜、取材のある浅田をロビーで待っていた。  女子アナのメアド…  ヤバい。顔がニヤける。  あわてて自分のケータイで自分の顔を見て、落ち着かせ 「歌川っ!」  っ!  驚かせんな!ケータイ落としそうに…  って、 「小森さんがメアド教えてくれるって」  という浅田の後ろにはジャパンテレビの小森アナウンサー。  俺の、一番好きな女子アナウンサー。 「良かったな」 「良かったも何も…」  後の言葉が、出てこない。 「浅田君、彼がさっき言ってた歌川君?」 「そうっす。俺の親友で、小森さんラブの歌川駆クンです」 「おいっ!」  恥ずかしすぎる紹介すんなよ! 「アハハ、ラブなんだ」 「ラブですね。キャンプ始まった頃何ですけど、コイツ」 「浅田!それ以上何も言うな!」  あの時の話を暴露するつもりか!?止めろ!恥ずかしすぎて死ぬ! 「わかったわかった。もう何も言わねーって」  何かもう、一気に疲れた。 「で、メアドだよね?教えてもいいんだけど、1つだけ条件。絶対、他人には教えないでね」 「はいっ」  もちろんです。 「個人情報とかね。特に私なんてアナウンサーだから色々大変なのよ」  確かに、毎日のようにテレビに出る有名人だし、大変だ。 「わかりました。絶対守ります」  いざ、メアド交換… 「歌川、震え過ぎー」  笑うなっ!
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