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里谷愛
早々に2軍に落ちた私たちだけど、悪いことばかりではなかった。
「葛西さん!」
「おー愛ちゃん」
大、大、大ベテランの葛西さんが2軍にいました。
腰に違和感、という名目なのだが…
「んなもん、名目だ。全体の無茶苦茶メニューで体壊すぐらいなら、2軍で別メニューやる」
とのこと。
もちろん、そのメニューは専属トレーナーと作ったもので、十分中身のあるものだ。
「金ってモンは自分のためにかけるモンだぜ」
と、葛西さんはよく言っている。
「さて、今日も上の奴らを驚かせるために、きっちり鍛えるか!」
「はい!」
私と葛西さんが何故か気が合うワケ。
それは、このチームで葛西さんは「お父さん」的な存在だから。
私のお父さんより、葛西さん、
1つ歳上。
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