キャンプ(後半)

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里谷愛  早々に2軍に落ちた私たちだけど、悪いことばかりではなかった。 「葛西さん!」 「おー愛ちゃん」  大、大、大ベテランの葛西さんが2軍にいました。  腰に違和感、という名目なのだが… 「んなもん、名目だ。全体の無茶苦茶メニューで体壊すぐらいなら、2軍で別メニューやる」  とのこと。  もちろん、そのメニューは専属トレーナーと作ったもので、十分中身のあるものだ。 「金ってモンは自分のためにかけるモンだぜ」  と、葛西さんはよく言っている。 「さて、今日も上の奴らを驚かせるために、きっちり鍛えるか!」 「はい!」  私と葛西さんが何故か気が合うワケ。  それは、このチームで葛西さんは「お父さん」的な存在だから。  私のお父さんより、葛西さん、  1つ歳上。
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