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6回ワンアウト。俺の第3打席目が来た。
ここまで浅田がウチに許した出塁は、俺のヒットの2本だけで、四死球は未だ0。
大したコントロールだこと。
打席に入って、キャッチャーが立ち上がり、俺の前で守る野手に細かくサインを出した。
何か、めっちゃ警戒されてるな。
これまでの2打席を強振したからか、外野だけでなく内野も強い打球に対応するために下がり気味。
まあ、ここまでご丁寧にやって、フォアボールってオチはねえよな。
初球、ボールか厳しいコースへの変化球かな。
甘かったら、思いっきり叩いてやる。
浅田が振りかぶり、投げ込んでくる。
真ん中やや低め。
――甘いっ!
スイングが始動、しかし、ボールが消えた。
しまっ…!
気づいた時には、体勢を崩され、空振り。
まさか。
フォークか。
いやでもこれまでフォークなんて投げてなかっ…
――浅田が振りかぶっていた。
タイムをかけるのもできるのだが、浅田に圧倒されそれすら忘れていた。
ヤバい…
その時、ふと閃いた。
――内野、下がってる。
苦し紛れではあったが、体が反応した。
セーフティーバント。
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