針穴と糸先

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志津子は席を立ち。 志津子「本日は忙しい中、お集まり頂きありがとうございます…」 森馬「長い挨拶は抜きにして飲みましょうょー!!」 と、口を挟んだ。 ああ、余計な事を。 志津子の顔は既に笑ってはいない。その目線に森馬は小さくなった。 気を取り直して志津子は喋り始めた。 志津子「講師で来ていた、草木先生と小田原先生。忙しい中、ありがとうございます。 では早速、乾杯と行きましょう。皆さんグラスをお持ち下さい」 ビールを丁寧に注ぎに、木山と奈々。 注ぎ終わると席に戻る。 志津子「同窓会スタートです。 再会を祝って乾杯!!」 カチャンカチャンと音を立てて乾杯をした。 真矢はビールを一杯飲み干した後。 真矢「志津子、張り切ってるね」 遥「草木先生いるし、桜木くんもいるからじゃない?」 男好きで有名な群鬼 志津子(むらき しずこ)から噂は絶えなかった。 同じクラスの爽やかで中性的なアイドル桜木 直(さくらぎ なお) や、乾杯で口を挟んでいた《天然》森馬 颯太(もりま そうた) 緊急講師で来ていた草木 雅也(くさき まさや)先生。 まぁまぁ、男なら誰でもいいみたいで女には人によって態度を変えている。 だが、木山には優しくない。志津子は頼りになる男か世話を焼かせてくれるタイプ以外は、冷たい態度になる。 木山はここぞ!となると汗だくでいっぱいいっぱいになる。 それが志津子には嫌で嫌でしかたがないのだ。
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