13人が本棚に入れています
本棚に追加
襖(ふすま)が勢いよく開き。
「すいません!! 遅れました!!」
その声に全員が注目した。
視線の先には、両手に紙袋やビニール袋をたくさん抱えた熊田 巴夏(くまだ ともか)が立って居た。
走って来たのか、息切れをしながら重そうな荷物を志津子に渡した。
志津子「待ってねぇーえ」
素っ気ないが、顔は怖いくらいに笑顔だった。
熊田はおしぼりで汗だけ拭こうと広げて、顔に当てた瞬間!!
志津子が持ち上げた袋の一部が顎(あご)にクリンヒット。
熊田がかけていた眼鏡が飛び、出て来た料理の上に乗った。
店員は硬直し、料理を作り直してきます……と肩を落とし慌てて部屋を出た。
汚れた眼鏡を清原 節子(きよはら せつこ)が拭きながら。
清原「熊ちゃん災難だね。 あの荷物何が入ってるの?」
熊田「せっちゃんありがとう。あの荷物、群鬼さんに持ってくる様に頼まれてて……何が入ってるかは不明なんだけどさ」
清原の向かいに居た松平 章子(まつだいら あきこ)が枝豆を口に入れながら。
松平「また志津子のわがままに付き合ってたの?」
熊田「みんなが使うもんだからって昨日、持って来てね!って荷物を部屋に入れにきたの」
熊田は群鬼と幼なじみでマンションも隣同士。
幼稚園から大学まで一緒。
あのわがままぶりに耐えてきたのだと思うと、熊田の精神力は凄いもんだと関心してしまう。
最初のコメントを投稿しよう!