プロローグ

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着信音『光に魅せられ やがて…風が♪』 何時だと思ってるだよ、全く。 時計を確認し、猫が顔を洗う仕草をしながら電話に出る、田苗 奈々(タナエ ナナ) 小説家を夢見る田苗は二日前から出筆に没頭していた。そして、ようやく今朝寝床に着いたとこだった。 奈々「はぃ、もしもし…」 遥「おっはよー!!! 朝ですよ!!」 鼓膜が破れるんじゃないかと思う程の元気な声で電話して来た相手は、高校時代の友人。 伊都 遥(イト ハルカ)だ。 奈々「知ってます……9時でしょ? 私、さっき寝たばっかりなの。 んで、朝から何か用?」 遥「また徹夜? 頑張るねぇ~あ、そうそう。今日 T大の同窓会があるの覚える? 何着てくか聞きたくてさ」 奈々「今日? 同窓会?」 奈々はカレンダーを見上げた。 奈々「遥、同窓会って明日じゃない?」 遥「明日?! うそー!! 昨日、緊急連絡網がきたよ」 奈々「今日に代わったのかぁ、勘弁してよね……徹夜明けなんだからこっちは」 遥「じゃあ、主催者にもう一回聞いて確認してみるね!!」 ガチャンと慌ただしく電話が切れた。
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