ポケットの愛を

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ポケットの愛を

まるで君の周囲の空気にさえ触れられない 何がそんなに忙しいの だけどまた風の一部になって すぐにいなくなってしまうんだね 仕方なく僕はいなくなった君の足跡をたどるだけ まるで違う二人は当たり前にすれ違ってしまう 口移しで愛を伝えたい僕と ポケットにしまっておいて気がむいたときだけ差し出す君 今日は君が差し出そうとしてくれたから、今日は見送るだけでもいいんだ いつだって君の指先を見れば分かるんだよ 優しくポケットの中で愛をかきまわす仕草を
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