4章 実艦的対潜訓練

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気がつくと双眼鏡で必死に捜索している自分がいた 「潜望鏡などあるはずないのに…」自分に笑ってしまった しかしそれほど強敵なのだ この時 必死であった分 探知する事を諦めてもいたのかもしれない その時 覗き込む双眼鏡に変な物を捉えた 海に浮かぶ捨てられた空き缶のような…しかし意思があるかのように浮かぶ空き缶は回転した 何だ? 空き缶やゴミにしては不自然だ 「あれ? まばたきした… と言うか目と目が合ったぞ?」一瞬 判断に戸惑った 双眼鏡に映る変な物は潜望鏡だった その瞬間一気に頭に血がのぼる感覚を感じた 「潜望鏡視認 左80度 さんまる(約3000mの距離という意味)」 艦が舵を左に取る 速力を増速した 敵潜水艦をめがけて突進する ついに沈める時がきたのだ 潜望鏡が海中に…逃げるか? だが10秒もすると再び潜望鏡が上昇してきた 常に動きを追っていたから理解できた…潜水艦はナメているのだ その証拠に「見つかっちゃった テヘっ」とばかりに潜望鏡が海中に消えた 艦内放送が響き渡った 「対潜戦闘 アスロック発射よーい! …ってぇー(「撃て」の意味)」
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