第1章 さよなら

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………なんの話? 琢磨が、裏切ったの? 全てを捨てて、私を選んでくれるって…言ってくれた、あの琢磨が……? そんな馬鹿な…! 足元の布団に置かれた封筒に手を伸ばした。 見なくても、分かる。 手切れ金だ…!! あのお母さんが、勝手にやったことだよね。 琢磨は、私を選んでくれるはずだよ。 * 翌日。 私は病院を抜け出した。琢磨に会いに行こうって決めたんだ。 ケイタイは破損のため使えなくて、琢磨の連絡先は知らない。タクシーで、琢磨のマンションに向かった。 まだ、体調は完全ではなくて、気持ちが悪い。めまいがする。 だけど、琢磨に会いたかった。
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