第1章 さよなら

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「………東京駅に……向かってください……!」 私は運転手にそう告げると、声を殺して泣き出してしまった。 何を、信じればいいんだろう。 誰を、好きだったんだろう。 お母さん。 私、見る目なかったよ。 お母さんに相談したくても、もう、いない。 何にも、見たくない。 聞きたくない。 私も、あの時死ねばよかったのよ…! 嘘ばっかりなこの街も、嫌い。 社長とか。お金とか。片親がどうとか。 そんな理由をつきつけられる私自身も、もう、どうでもいい。 ふと、ラジオから優しい歌が聞こえてきた。
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