第1章 さよなら

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夜の街の景色が、列車の窓の外に移り変わっていく。 お願い。 悲しみも苦しみもない場所へ、連れていって…。 私は生きる価値もない女なの。 もう、全て失ったわ……。 私は泣きながら、窓に額をつけて目を伏せた。 母さんがいない街なんて、いらない。 琢磨が裏切った街なんて、大嫌い。 お金で片を付けようとする汚い街、東京。 こんな街に、未練なんか、ない。 さよなら…。
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