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街が寝静まった真夜中、敵が動いたのを察知した。
そこそこ手練れなのか気配を隠しながら動いている。
高層ビルの屋上から見下ろすオレからは丸見えなんだけどな。何か事件を起こす前に止めておくか。
屋上から飛び降り、全身で風を受けてマントが捲り上がる。
太股に装着した鞘からナイフ『月白』を引き抜いて戦闘準備万端。
高層ビルの側面を蹴って敵のところまで跳ぶ。風をきる音に敵が気付いた。
オレを見て飛び退く。衝撃を完全に吸収して着地し、敵と対峙する。
「こんな夜になにしてんだ?」
訊いて答えてくれるほど敵は優しくなかった。懐からナイフを二本抜いて構える。
特徴としては頬に十字架の刺青をした、若い兄ちゃんみたいな人だ。
ビンゴ。『七つの大罪』の関係者だ。
「フッ!」
左右からのナイフをかわし、ナイフ『月白』を突きだした。ナイフを交差させて受け止められた。
上手い具合にガードしたように敵は笑うが大きな間違いだ。だって狙って突きだしたもんな。
ちょっと押すだけで二本のナイフは崩れ散る。
左手で相手の胸ぐらを引き寄せ、足を引っ掛けて背中から押し倒す。
「ガハッ!」
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