『七つの大罪』

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 岩の拳が振ってくる。かわすと容易くコンクリートにめり込む。  一発でも当たればオレと言えど危うい。  めり込む岩の拳に乗って腕をかけ上がる。  ポーカーフェイスに蹴りを入れると体を反らして倒れた。  足がいかれそうだ。あとで湿布張ろ。     「ユリがぁぁぁ認めたぁぁぁ」      なんとかの一つ覚えに繰り返す。ユリのどこに依存する要素があるのか小論文にして簡潔に教えてもらいたいもんだよ。     「ユリがぁぁぁ」     「オレは今からお前を殺す」      大きくしゃがんで飛び上がる。電柱の頭を踏み台に更に飛び上がる。  この高さから下に向かって『月白』を投擲する。  ビュ、と風を切るナイフは敵の胸部に当たって弾き上がる。  予想通りだ。空気抵抗の少ない態勢になって急降下。  弾き上がった『月白』を掴み、切っ先を突き立てて降り下ろす。  体重プラス速度プラス『月白』の硬度。岩のような胸に突き刺さる。  亀裂が走り、そこから血が流れ出る。     「ぐがぁぁぁぁ!!」      こんだけ硬い皮膚だ。斬れればくっつけるのは至難の技だ。  ほっとけば死ぬ。苦しませて殺すか、楽に殺してやるか。選ぶのはオレだ。
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