プロローグ

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    「よせって! 先生にバレたら怒られるぞ!」     「中山の言う通りだ! 停学になっちまうぞ!」      しょうが焼きが大好きな中山と、春休みを終えた新学期にはアニメオタクと化した瀬戸内が大慌てで行動の中止を呼びかける。     「二人共わかっていないが、停学になるくらいの悪さをしたほうが大人になってから良い思い出になる、みたいな顔しなくていいから!」      見事心中を読まれた。中山すげぇー。すげぇーけど、暴走機関車は早々止まれないぜ!  でも停学って言葉にちょっと心が揺らいだぜ。  そして点火スイッチ押した。  全校生徒の前で、果たして聞いてる生徒がいるのかわからないが、壇上で演説をする校長の前で、ビュシュシュシュと花火噴射した。  怪我人が出ないように校長に向けてセットしたのは優しさだ。     『わ、あつ! あつつ!』      マイクからスピーカー、スピーカーから全校生徒へ、校長の熱がる声が向けられた。  脱兎のごとく、腹についた肉を揺らしながら校長は退散した。  全校生徒が笑って喜ぶ。
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