プロローグ

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「いちいちうるさい」 「それが親に言う言葉なの!?」 「よく言うよ。そんな言葉聞いても僕は変わらないよ」 「零!お母さんに顔を見せて!!」 「写真でも見れば?」 「零!?」 「・・・うるさいっ!!」  ドアに向かって本を投げつけた。その音に驚いたのかどうかは分からないが、母親の声が無くなり静まりかえった。 このまま去って欲しい。去ってくれ、一人にして、傷つけないで。 そんなことを思いながらも、スリッパの足音は聞こえないまま。---ということは、まだドアの前に居るのだろう。  コソコソと話し声が聞こえる。誰かと電話してるのか? 聞き耳を立てた瞬間、ドアを叩く音が響いた。 「Hello?」 「は?」 思わず大きい声を出してしまった。 ,
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