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そんな父の言葉を違う意味で理解したのは、小学校6年生くらいのときだった。
そして今
星野惟紗、15歳
高校1年生――――………
『もっ…勘、弁…してくださ…いっ…』
『だったらサイフだしなって、最初から出してたらこんなことしなかったのに』
暗い路地裏。
人気のない道に体を丸めてうずくまるサラリーマンの頭に、足をのせて見下している少女。
染めた金髪で、ウェーブのかかった髪が胸の辺りまで伸びていて、夜風に靡いてはまた元の位置まで戻る。
その少女の後ろにはまた二人の少女がいて、サラリーマンに罵声を浴びさせていた。
『テメェみたいなのに体売るわけねぇだろ!気付けよバーカっ!』
『騙されてノコノコついてきてんじゃねぇっつの』
そう。
援交をもちかけるふりをして路地裏につれこんで、今に至るのだった。
サラリーマンはサイフを出して主犯格の少女に差し出した。
少女はそれを受け取り、札束を数える。
『結構持ってるんだー。15万だから…5万ずつでいい?』
『いいよ!』
ふたりのうちのひとりの少女が、キャハハと笑いながらそう言った。
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