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父があのときアタシに言った言葉。
アタシはその言葉を忘れることなく、すくすくと育っていった。
でも、そんな中で気付いていったんだ。
"嘘は最大の優しさになる"
そんな言葉は、嘘だっていうこと。
自分のやってることを正当化したいがための、言い訳にすぎないということ。
そうやって思っていくなかで、アタシは捻れていった。
嘘という凶器を、平気で使うようになった。
結局は、騙される方が悪い。
それを見抜けなかった、相手が悪い。
信じた方が悪い。
そう思うようになっていった。
いい嘘と悪い嘘?
なにそれ?
結局、嘘は嘘。
いいも悪いもない。
そんなものは存在しない。
だったら
どんな嘘だってついたっていいはずだ。
だって母が使った嘘だって、結局は自分のためだけについた嘘だったんだから。
傷つけたくないって思ってた?
逆に傷ついたから。
浮気ならもっと隠しながらやれよって、きっと今のアタシなら言ってしまえるだろう。
恨んでるわけではない。
今になって、呆れてるだけ。
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