4人が本棚に入れています
本棚に追加
地下に続く階段を、一段一段おりていく。
そのさきにある扉にアタシは手をかける。
そこはとある小さなバーだった。
普通ならアタシの年齢じゃ入ることはできない。
でも普通じゃないからさ。
だってここには…
『おう。不良娘』
『やめてくんない?その呼び方』
『だって本当だろ』
アタシを不良娘とよんだのは、12歳ほど年上の人。
流(ナガレ)
アタシが中1のときに出会った、今唯一嘘をつかないで素を見せられる存在。
流はアタシのお兄ちゃんみたいな存在だ。
友達って感じでもなければ、恋人ではない。
まさにお兄ちゃん。
その表現以外みつかならないくらい、アタシは流を慕っていた。
流はアタシのことを受け止めてくれる。
アタシがどんなに悪いことをしたって見離さないでいてくれる。
あたしの話しをただただ頷きながら聞いてくれる。
そうやって流がつくってくれる空気が、アタシにとってはたまらなく心地がよかった。
最初のコメントを投稿しよう!