第1戦 一章 誕生と静止

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一方    村では勇路捜索のため沢山の火が焚かれ    老いた男集が山中を探している      若い男集は戦にかり出されているからだ      涙を流し続ける母    その時ふと顔を上げると      遥か遠くの方の空が紅く灼けているのをみた      村人達は皆足を止めてその方向を向く        そうこの夜浮かび上がった紅の空こそ      本能寺の変    つまり戦国の魔王    織田信長の死      最後の命の炎であった          その頃勇路は祠の最深部の祭壇の前に到着していた      冷たい風が壁の隙間から竜の嘶きのように音をたてている        謎の声のする方に目を向けるとそこには    一つの鉄の札と    奇妙な形をした腕輪のようなものがあった
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