9人が本棚に入れています
本棚に追加
一方
村では勇路捜索のため沢山の火が焚かれ
老いた男集が山中を探している
若い男集は戦にかり出されているからだ
涙を流し続ける母
その時ふと顔を上げると
遥か遠くの方の空が紅く灼けているのをみた
村人達は皆足を止めてその方向を向く
そうこの夜浮かび上がった紅の空こそ
本能寺の変
つまり戦国の魔王
織田信長の死
最後の命の炎であった
その頃勇路は祠の最深部の祭壇の前に到着していた
冷たい風が壁の隙間から竜の嘶きのように音をたてている
謎の声のする方に目を向けるとそこには
一つの鉄の札と
奇妙な形をした腕輪のようなものがあった
最初のコメントを投稿しよう!