ためらい

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「越前…かな?」 「越前?」 「うん、かなりうまい1年だよ」 「へぇ…」 そんなにうまい1年が入ったんだ… 青学はもっともっと強くなるんだ… 私なんかは手が届かないくらいに…強く… 「陽菜、ふくらはぎの調子はどう?」 「えッ?ああ…平気だよ」 怖い顔して考えていた私に、不二はにっこりしながら話しかける。 いつもペースは不二だ。 「もう完治したんだよね?」 「うん、まぁ…」 「じゃあ僕たちとテニスしようよ。あと1年しかないよ?」 「…またその話?テニス部には入らないよ」 ガタっと音をたてて席を立った。 不二は私をよく知ってる。 過去も今も、私の心も… 不二に強がっても、すべて見破られる… だからなるべくは近付きたくない… けど、 それができないのは… 私が不二を… ……
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