ためらい

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放課後、コートのわきを通ったら、手塚くんと朝の1年くんがいた。 二人は私に気付いたみたい。 「陽菜、もう帰るのか?」 「あ、うん…」 「望月陽菜?」 手塚くんに隠れていた1年が顔を出して、私の名を呼んだ。 「え…?」 「越前、知り合いか?」 「俺が知ってるだけっスよ。『全国Jr.選手権優勝、望月陽菜』だよね?」 「なん…で…」 「俺は全米Jr.4年連続優勝した、越前リョーマ。日本でのNo.1が気になって調べたことある」 「全米No.1…?」 聞いたことある… 全米で1番強い男の子が日本人だって… やだ…私の消したい過去を… 「陽菜…?」 私はダッシュで家に帰った。 なんでみんな…私の消したいことを… やめて…やめて… 思い出したくないのに…
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