唯の手紙

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目覚めてからの数日は、かなり退屈だった。 骨折してるから行動が制限されるし、家族が来ても大して変わらないし。 時々―――と言ってもほぼ毎日―――唯が来てくれたが、あまり会話が弾まなかったり…… そういえば、俺の担当が野木さん―――あの人、内科の医者じゃないのか?―――なのだが…… 本人曰く、    「……いろいろあるんだよ」   てきとうな…… まぁそういうことらしい。 ちなみに今は唯が来てる。    「ねぇ颯君」    「ん?」   また同じ質問か?    「私達ってどんな関係だったの?」   やっぱり。 俺が目覚めてから、こればかり聞いてくる。 俺は決まって、    「たいした関係じゃないよ」   そう答える。    「むぅ~~~!!!!」   とむくれる唯。 心が痛む……    「颯君も由香里もママも……なんで教えてくれないの……?」   ………    「付き合ってたんじゃ……?」   っていつも言われるが、    「そんなことは……」   と言ってしまう。 はぁ…… なんだかな………
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