消えない記憶

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待てども待てども2人は帰って来ない…。          何日かして 私はばぁちゃんに聞いてみた。        「ばぁちゃん?」         「ん?どうした?」         ばぁちゃんは台所に立っていた。            「ママととーちゃんは?」          ばぁちゃんの動きがとまった。          「ばぁちゃん?」         ばぁちゃんは突然私をギューッと抱きしめ また泣いていた。         今度ははっきり聞こえた。        「ごめんね…ごめんね…ばぁちゃんが守ってやるから…」         外からはまだ微かに蝉の声が聞こえていた。
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