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生温い味噌汁に水気が多いごはん。
冷えた焼き魚だったが。
慎輔の心には温かい物が込み上げた。
朝食を平らげると時計を見た。
時計は7時15分を指していた。
花音は慎輔が遅刻しないように早く起こしてくれたのだ。
『学園の場所もよく知らないし、早めに出ようかな?』
慎輔は現在着ている物を脱ぎ、掛けてある制服に着替えた。
食べ終えた食器を水に浸し。
家の鍵と学園の地図をポケットに入れ、玄関に向かった。
玄関にはピカピカの革靴が出してあった。
慎輔はそれを履いた。
『あれ?サイズがピッタリ。』
慎輔は靴のサイズが合っていることに気が付いた。
他にも、制服のサイズも。
軽く疑問に思いながらも『ま、いっか!』と言い家を出た。
家を出ると眩しい朝日に周りには葉の無い木々が在った。
慎輔は息を大きく吸った。
『ここで、空気がうまいって言うだろうけど。俺には空気の味はよく解らないな。でも、』
慎輔は家の戸締まりをすると一言。
『いい所だ。』
慎輔は磯崎家の庭を出た。
磯崎と言うのは花音の名字である。
庭を出るとすぐに道に出た。
慎輔はポケットから地図を出すと見ながら歩き始めた。
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