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思わず
ハシッ
っと詩音のシャツの裾を握りしめていた。
『…………………ごめん……………なさい。』
小さな声で呟くようにしか言えなかった言葉。
詩音にちゃんと聞こえたのだろうか?
恐る恐る顔をあげると。
仕方ないなぁ。っというような顔をしていた。
『お腹空いたの?』
わかっていると言わんばかりに頭を撫でてきた。
その瞬間俺様は許してもらったと思った。
『ごはーーん//』
あまりに嬉しくて詩音の足元に座っていた状態から伸び上がり詩音の細い首に抱きつき唇を近づけ
ようとしたが
ペイッ
と放り投げられしりもちをついた。
『なっ!何するんだよ!!ごはんくれるんじゃないのか!?』
期待していた分拒否されたことが悲しくて、悔しくて半泣きの顔で見上げると、
『こんな家の真ん前の道で吸血鬼に血を吸われるなんて嫌だ。』
見下ろしてくる詩音の顔が絶対ダメと言っていた。
『お家入るから!ちゃんと二人になるまで我慢するから!ごーはーんー!!』
するとやっと、少しだけ微笑んだ。
詩音はあんまり笑ったりしないから稀少なんだぞ♪
~つづく~
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