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いつから、こんなにも彼を想うようになったのだろう。
きっと君を見た瞬間からもう、魅せられて、ひどく惹かれていて。
ただ、そうじゃない。そうじゃなくて。
どうして、惹かれてしまったんだろう?
どうして、好きになってしまったんだろう?
どうして、こんなにも愛してしまったんだろう?
行き場のないこの想いはやがて刺すような痛みに変わって、全身を駆け巡って、呼吸するのもままならなくて。
ただがむしゃらに叫びたくなる。
どうせ叶わないなら、芽生えなければよかったのに。
でも、そんな辛さを知ってもきっと。
何度も何度も、馬鹿みたいに傷付いて。
何度も何度も、心は悲鳴をあげて。
それでもぼくは、
たとえこの身が朽ち果てても、また生まれ出て、また君と出逢って、また君を愛する。
叶わないとわかっても。
ぼくはきっと君への想いに身を焦がすのだろう。
ならば。
断ち切れぬだろうこの連鎖に、ぼくは身を委ねよう。
それが茨の道だったとしても、足を酷く傷付けても、ぼくはずっと歩き続ける。
fin
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