一章 「原因」

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大体夜の九時頃   やっと家に着いた朔 ドアの取手を握り、捻ると何やら寒気がした 手には汗が滲み出た   朔は気配ですぐに分かった         ドアの向こうに美咲が立っているのを…   (や…やばいな…)   と迷ったが、勇気を出してドアを開けた   案の定…   「さ~~~~~~く~~~~~~~~?????」   「た…ただいま…」   何故か笑顔で腕を組んで立っている美咲   しかし、その笑顔がまた怖さを数倍引き立てた   朔は慎重に言葉を選んだ ここで選択肢を間違えると最悪の場合   『飯抜き』   と言う地獄が待っている ただでさえ腹が減ってる朔である 目を泳がせながら未だに言葉を探していた   「朔~?どうしたの~?」   笑いながら急かす美咲   「え…えっとだな…」   汗がダラダラと出る朔
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