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日は上りそろそろ昼時
今は【魔学】と言ういわゆる魔法の授業をしていた
朔は幼い頃、父と母に魔学の事を習わされていたのでやっていることは全て知っていた
もちろんテストなどあっても常に満点だった
「魔法の詠唱には大きく分けて二つあって………」
と、教授の長々しい話をうつろうつろと聞いていた
因みに美咲は同じクラスで朔の席から三つ前だ
(ヤバい……眠いな……)
と思いながら机に顔を伏せる
(終ったら美咲が起こしてくれるだろう…)
と睡眠に入ろうとした
教授の声が眠りに誘う詠唱に聞こえてきた
(今日の飯は何だろう…)
と思いながら寝る
コツンッ
急に頭に何かが当たる
その何かが朔の机に乗る
(何なんだ?)
それは丸まった紙だった
朔は辺りを見渡すと
「神楽君、キョロキョロしない!」
と教授がチョークを投げてきた
チョークは見事に朔の額に命中する
「うごっ!」
と言い、額を擦る
周りからは笑い声がする
美咲もクスクスと笑っていた
(くそっ…あのじじぃ…)
と口に出すと赤点になり兼ねないので言わないでいた
朔はその後丸まった紙を広げた
そこには
『神楽さん、今日の放課後、屋上で待ってます』
と、書いてあった
宛名は無かった
「はぁ…」
と声を漏らす
「神楽君、私の授業はつまらないですか?」
とまたチョークが額に当たり、今度はそこで破裂した
「────!!!!」
朔は額を抑えて転げ回った
そこから爆笑の嵐が
(情けねぇ……)
と朔は思った
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