第壱章:おいでませ幽霊さん 1

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「ど、どうした猫波?」 「殺気だ、殺気を感じる」 殺気って、穏やかじゃありませんね。 しかし、一応は俺も霊能者。猫波に言われて気付いたが、殺気を感じる。 「どこからだ?」 「分からない。だが、ドンドン離れていってる。一戦交えようってわけじゃなさそうだ」 「そうか」 内心かなりホッとしました。チキンですみませんね、本当。 「はあ……ここに来て二日で戦いそうになるとはな。この先が思いやられる」 「悪いな。色々と」 「まあ、お前と早鳴を守るのが、猫達守護霊の仕事だからな」 そう言った猫波は、ニコリと笑ってくれた。 その笑顔は、猫みたいにツンツンな笑顔じゃなくて、女の子の可愛い笑顔だった。 ……今、恥ずかしいことを易々と思いましたね、俺。 あー、猫波相手にこんなこと思うなんて、自己嫌悪に走っちゃいそうですよ、本当。
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