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「ど、どうした猫波?」
「殺気だ、殺気を感じる」
殺気って、穏やかじゃありませんね。
しかし、一応は俺も霊能者。猫波に言われて気付いたが、殺気を感じる。
「どこからだ?」
「分からない。だが、ドンドン離れていってる。一戦交えようってわけじゃなさそうだ」
「そうか」
内心かなりホッとしました。チキンですみませんね、本当。
「はあ……ここに来て二日で戦いそうになるとはな。この先が思いやられる」
「悪いな。色々と」
「まあ、お前と早鳴を守るのが、猫達守護霊の仕事だからな」
そう言った猫波は、ニコリと笑ってくれた。
その笑顔は、猫みたいにツンツンな笑顔じゃなくて、女の子の可愛い笑顔だった。
……今、恥ずかしいことを易々と思いましたね、俺。
あー、猫波相手にこんなこと思うなんて、自己嫌悪に走っちゃいそうですよ、本当。
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