-海と渚-

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ちょうど10歳の誕生日を迎えたばかりの頃、学校の友達数人で海に来た事があった。 何かあれば困るからと、五月ちゃんの高校生のお兄ちゃんが付いて来てくれていた。 有名な私立高校に通う、とても優秀なお兄ちゃんで、将来は医者になるって…前に五月ちゃんが言ってたっけ… 海でTシャツ短パンのままびしょ濡れではしゃいでいる中、私はふと思った事を口にした 「海と空って繋がってるみたい。海って、空の青が溶けて青くなってるのかなぁ?」 それを聞いた友達が 「絵の具で色水作るみたいに!?」と聞いてきた。 「そうそう!そんな感じ!!」と私が言い終わるか終わらないかで、五月ちゃんのお兄ちゃんが口を挟む、 「違う違う!!色水なんかと一緒にするな!海と空の青は全然違って……」 と、小学生相手に物理の授業を始めだした。 けれど私はそんなちゃんとした答えなんて望んでなかった。 答えなんて出なくても、 空はどうして青いのか? 海はどこまで続くのか? そんな事を考えるのが好きなだけだった。
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