ζ_命の燈し火/光の期限_ζ

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「悠紀は何描いてるの?」 描いてる場所遠くて見えないし、一先ず俺の絵の具一式持ってる悠紀に尋ねる。 「僕は描き飽きたんで、遊びで服のデザインしてますよ。後で、演劇部にでも渡そうかなぁ~って思って」 「そっか。完成したら見せてね」 俺がちょっと笑顔で言ってあげたら、悠紀はニッコリと笑って 「はいっ、頑張りますねッ!!」 って言った。 やっぱり、可愛いような気もするけど、俺の好みじゃないんだよなぁ…。 ってか、俺男だしさ…。 「じゃあ先輩も頑張ってくださいね」 教室と変わらない広さの美術室で、手をブンブン振ってくれる悠紀。 「うん」 俺は悠紀にそんな返事しか出来なくて、申し訳なく感じる。 …………… やっぱりさ… 正直、悠紀の事が苦手なのかも。 結局手を振り返せなかったのは事実だしなぁ…。 顔とか表情には出してなくても、態度には出ちゃうものなんだなぁ…。
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