第1章

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「お兄ちゃん、お誕生日おめでとう!」 焔は何を言われたのかわからなかったが、妹の言葉を頭の中で何回か繰り返したあと、カレンダーを見た…。 『5月 20日』 「あぁ! そうか、今日で俺は16歳になったのか・・・」 美貴は呆れた顔をして 「やっぱり忘れてたのね・・・ 私が言ってあげなきゃ忘れたまま過ごすところだったわ、きっと。 なんて兄想いの妹なのかしら・・・」 焔は苦笑いを浮かべ、軽く頭を掻きながら 「そんなことはないだろうけどさ・・・ そっかぁ、16歳か。実感わかないけど、とにかくありがとう、美貴。」 美貴は照れ笑いをしながら、キマリが悪そうに 「あ、当たり前だよ! これも兄妹の勤めなんだよ、きっと。」 焔は、美貴が照れているのを勘違いし、さらにこんな兄を慕ってくれているのだと思い、優しい笑顔を美貴に向けて礼を言った。 「そっか…ありがとうな。」 その笑顔に美貴は、一瞬 頬を赤らめたように見えたが、一生懸命に首を振り  
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