その名はピエロ

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少女は顔を上げて彼を見た。 そして、ゆっくりと目を細めると……小さく口角を上げた。 「……面白そうね…。」 そう呟いた少女は、彼が差し出していた手をとり、小さくお辞儀をした。 彼も満足げに立ち上がり、少女に言った。 「私ノ 名前ハ “ピエロ”。 …………良イ旅ニ ナリソウダ…。」 少女は微笑んで、カウンターの上に代金を置く。 カフェのマスターをちらりと見て、 「また来るわ。」 と言って、ピエロと一緒にそのカフェを後にした。 青年・ピエロ、 後にその名を、“純白のピエロ”と呼ばれる――――。
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