第一章

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僕達が生きているのは3008年の地球。 1000年以上も昔の人々は地球の緑を枯らした。高度な技術を持ち、知能も僕達よりもはるかに高かった。しかし、その技術を使い過ぎて「自然」というものを殺したのだそうだ。 緑の死んだ地球の空気は年々悪くなり、今の世の中では1日に3回ガラスのシェルターを被り酸素吸入を強いられた生活を送っている。 これが俺が知る地球の歴史 「はい、坂本君よく読めました」 教授の声が二酸化炭素の充満した窮屈な教室に響き、俺は自席についた 今俺が読んだのは地球史の有名な一説。俺達は生後間もなくガラスのシェルターを頭に被らされ10歳まで外すことはない 10歳の誕生日に初めてシェルターを外せるも、日に3回、昼と夜と2時間。睡眠中にシェルターを被らなければならない シェルターは重く煩わしい。しかし、今の地球には昔のような豊富な酸素がほとんどないため、シェルターがないままだと半日も生きられないという。俺達は一生シェルターの人口酸素に頼って生きなくてはならない なんてくだらない、楽しみも面白みもない一生なんだろう俺は自嘲しながらシャーペンを指で回していた そうやって大学のくそつまらない授業を過ごすのが俺の日課 大学に入って1年。19歳の俺、坂本明人は自慢じゃないけど頭がいい。うん、自慢じゃないから。 スポーツもそこそこ、容姿も普通。まぁ俗にいう目につくタイプのがり勉君なんだろうな 先生のくぐもった声を軽く聞き流していたがそろそろ眠くなってきた 「先生、僕頭が痛いので早退していいですか?」 サボり決定。
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