6人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
入学して1ヵ月が過ぎようとしていた5月1日。
初めての席替えの日だった。
その日までの間、あたしはバレー部に入部して、1年1組の副委員長になった。
委員長はサキ。
選挙で選ばれてた。
あたしも一応立候補だった。
そんなことで、それなりに学校生活を楽しんでいた。
授業中、たまにサキのほうを見ると少し隠しながら、マンガを読んでたり、下を向いて寝てたり。
そんなサキの隣に居れるだけで嬉しかったのに、そんな生活も長くは続かない。
せきがえ
席替え委員とやらが黒板にどでかくそう書く。
「席替えしなくていいよ~?」
あたしがそう叫ぶも席替え委員は完全なスルーで、あたしは苛っときたのを覚えてる。
そんぐらい離れたくなかった。
今思えば目の前に見えるだけの小さな世界しか見えてなかったんだなぁ。
なんて感じたりもするけど。
最初のコメントを投稿しよう!