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渋々ながらも、くじを引いて番号を見る。
18番
えっ?
「あたしの席かわってないじゃーん。」
あたしの席は、入学当初と変わらず、窓側の最後列。
サキともかなり離れた。
新しい隣の人は馬鹿で不良で有名な佐藤刻(サトウトキ)だった。
刻はバスケ部。
ほんとに馬鹿で、いい噂なんて聞いたことがない。
かかわりたくなかったけど、たった1ヵ月の辛抱だから。
なんて思ったら、我慢できた。
「うわ~。ひろかだ、よろしくなー?」
「よろしくっ。」
うわって何よ?
とか思いながらもあいさつだけはしておく。
一応あたしは怖いもの知らずの刻が怖かったし、意地をはって無視するまでもないと思ったから。
こんな奴。
はやく席替えしたい。
最初はずっとそうだった。
万引きとか、喫煙飲酒とかを繰り返して、生きてる価値もないような人と隣なんて最悪。
そんなふうにしか思わなかったあたしは、すごく偏見だったよね。
生きてる価値がないなんて、あたしが思っていいわけないし、人って外見できめつけちゃいけないんだよ。
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