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これは私が霊に対する考えを180度変えた体験です。私がまだ小学校にかよっていた頃、「こっくりさん」と、いう遊びが流行っていました。真っ白な紙と十円玉を用意し、紙に五十音順と数字「YES」と「No」という言葉を書きます。そしてその十円玉を紙にのせ、人差し指を十円玉にのせるとこっくりさんからお告げが聞けるというゲームです。こっくりさんをやるにあたって必ずしなくてはいけない約束があり
1.こっくりさんを呼び 出した場合必ず丁寧 に帰さないといけない
2.使った十円玉はその日 のうちに手放さなけれ ばならない
というものでした。未知のものを呼んでいるかもしれない楽しさから周りのトモダチとはしゃぎ「誰かが十円玉を動かしているんだろう」という疑いを、誰も口にしないまま毎日のように続けていました。
こっくりさんブームも薄れかけてきた頃、校舎の裏口で友達のAちゃんを待っていたとき、一緒にいたY君から「久しぶりにこっくりさんでもしようか?」と誘われました。すっかりこっくりさん慣れしていた私達は一から表を作っていくのが面倒になり約束さえ守ればいいという甘い気持ちで、適当に表を書き上げると、十円玉に人差し指をのせ「Aちゃんは今どこにいますか?」と聞きました。
ところが何も反応がなく 、「YES」という字を書き忘れた事に気づいたとき、Y君の様子が急におかしくなりました。十円玉を押さえていたY君の人差し指がこれでもかというくらい反り返り、小刻みに震えだしたかと思うと、口をとがらせ低い声で「すんすんすん…」とつぶやき、十円玉を「No」に動かしました。
私はY君の名前を呼び人差し指を離そうと思いましたが、Y君の指に吸い付いた十円玉は「No」という言葉から動きませんでした。私は泣きながらY君の腕をつかみ、紙をひきちぎりました。
その瞬間、指を離したY君は横目で私を見つめると、「すんすんすん…それみたことか…」とつぶやきました。力が抜けたY君はそのまま泣き崩れ、何も覚えていないと言っていました。後日Aちゃんは同時刻表口を飛び出して車にはねられて死んでいた事を聞きました。
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