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「…………?」
子供っていうのは警戒する為に生まれてきた生き物だ。
私は勝手にそう思ってる。
現に。
小さい私はボケッと口を開きながらも、うずくまっていた砂場から身を起こして、声を掛けてきた男の全身をなめ回す様に見ている最中だ。
怪しいと判断したからといっても、こんな小さなナリだ。
別に何が出来るって訳でも無い。
「はっはっは! すまない、驚かせてしまったね」
先に口を開いたのは男の方。
真っ黒なシルクハットに、服装はこちらも真っ黒タキシード。
鼻の下にはちょび髭。
チャップリンかよ。
なんて突っ込みを入れるのもやむなしな出で立ちをして、男は砂場の中に立っていた。
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