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詩 『春景』
けふもまた
はるのいちにちが
くれやうとしてゐます
遠く近くに
呼び交はす
燕や雀
鶯の
音楽会はたけなはで
わたくしはひとり
窓際の
特等席で聴きませう
暮れゆく春の
そら色は
瑠璃の色から
タアコイズ
それからゆつくり
アメシスト
濃きより淡く
また深く
さやかな風に
染められて
春は静かに
暮れなづむ
燕や雀
鶯の
音楽会ももうはねて
春は静かに
暮れてゆく
さういへば
けふは満月
春は静かに
暮れてゆく
春は
静かに
暮れなづむ
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