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パラパラと
紙を摺る音で目が覚める
窓が開いていたのか風が吹き込み机の上で教科書が風に踊るのを寝ぼけ眼で眺めていると
突然ドアが開く
そこには
魚肉ソーセージを片手に、もう一方の手には牛乳の入ったコップを持つパックが立っており尻尾でドアを器用に閉めた
「おはよう……空山 緑」
コップを机に置き
魚肉ソーセージをパクリとかじり
「迂闊だな……自分の本当の名がわかるものをその辺に放置するとは……」
パックは机に乗ってるノートを手に取りヒラヒラとかざし
更にソーセージをパクリ
「………迂闊?なんかまずいの?名前が?」
………………フゥ――
と軽くため息をつき
椅子に飛び乗り短い足を組み大きな目で
少し僕をバカにした感じで見る
「今回の任務のターゲットではないがな、名前で相手の行動を支配する悪魔もいる……確か日本にも生息してるはずだ」
コップを掴みグイッと一気に飲み干す
あまり飲み過ぎるとお腹を壊すが猫妖精だから平気なんだろうか?
「我々は真の名を明かさない……相手に命を握られる様なものだ」
パックが尻尾で白猫を突くと
白猫は一鳴きし
もっと丸くなった
「連絡はまだか‥‥ゲイボルグの情報処理班はかなり優秀なんだがな……遠すぎるのかもな」
僕はとりあえずGパンを履き
シャツを着て
キャットフードを白猫の前の皿に入れた
「まず……緑、朝飯を食べろ……その後今回の任務について話す、朝飯を抜くと頭が回らんからな」
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