ある天使の受難と初夏の夢の始まり

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「さて……説明の続きだ」 パックはテレビを消し ベッドにしてた引き出しを閉めてこっちを振り返ると 「今回の任務は簡単だったんだがな……最初から気付くべきだった、力が取り柄のバカが単独で盗みに入るなど……」 パックは窓の外を見た 白いカーテンが揺れ 白い猫がはしゃいで飛び付いた 「今回の任務は盗みに入った能天使の確保のみだったのだが……状況が変わったようだ……能天使のような力自慢のバカが単独など有り得ない……そしてあの施設にはアカシックレコードもある……裏に誰かいるな」 目が点になるとはこのことだ さっぱりわからない 何言ってんだ猫のクセに 「理解してないのだな?」 「…………当たり前だろ」 「つまりターゲットは能天使、内容は殺さず捕らえる」 「……能………天使?」 「そう、飲み込みが早いな」 少し馬鹿にした様に パックはクスッと笑いながら言った 「だって天使って神様の使いだろ?羽根あって輪っかがある」 「ほぉ……博識な人間だ」 ニヤリと目を細めて笑うパック また馬鹿にされたようだ 「神様の使いを捕まえたりしたら罰が当たるし盗みなんかするわけないじゃないか天使が」 パックは少し 今度はバカにするどころか呆れた様に溜め息をつき 「………神は自分に似せて泥から人間を作った……らしいが人間はみんな善人か?」
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