ある天使の受難と初夏の夢の始まり

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聞き慣れない単語ばかり話す猫だな、猫が話すとも聞かないけど 「堕天が始まると体質、性格、属性の反転が始まり明るい世界にはいられなくなる……やがて消滅するらしい」 パックは煙草の箱をこっちに向け ん? という顔をした 煙草を勧めたのだろうけど首を振った どうやら横にも動くようだ というか僕のだソレ 「つまり堕天した奴は井戸に逃げ込む、反転現象のあと重力の負荷まで付き幽閉されるわけだ」 いい事ではないらしい 重力があるのは 「今回のターゲットは井戸に落ちたと聞いていた……つまり本部は堕天したと捉えたのだろうな、渡された装備はどれも天使の属性の逆、混沌を司る属性に威力を発揮する装備だ……弾丸もアイテムもすべてな」 少し自嘲気味に笑い…… 猫のそんな顔ってのもあるんだなぁ 「ゲイボルグの総力を上げ落下先を突き止め、実行部隊である私……他の妖精でアタックした、かなりの火力でな……爆煙はしばらく消えなかったが死体確認のため近づいた」 少し思い詰めた顔をしたパックはこっちも見ないで話を続けた 「堕天した能天使なら10体いても全滅できる火力だった……まぁ私たちも迂闊だった……近づいた瞬間……仲間の首から上は吹き飛んだよ」
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