闇に潜むは悪鬼なり

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オンボロ長屋… 翔の家…… カン!カン! 真っ赤に熱した金属を金槌で打つ翔。 額には大粒の汗が流れる。 その光景を居間でボリボリとせんべいをかじりながら眺める三太郎。 「翔さん…おたえさん大丈夫かな?」 三太郎が翔に尋ねた。 「なんでだ?」 翔は金属を打ちながら応える。 「なんかさぁ…嫌な予感がするんだよね…俺さ昔から勘が強いのよね…」 「三公…考え過ぎじゃねぇのか?」 翔は金槌を打つ手を止める。 「翔さん、やっぱり気になってるんじゃない?」 「馬鹿いえ!!」 怒鳴る翔。 翔の本心はやはり『公儀』は薄情で信用ならない、ましてや今の町方の横着な態度を何遍も目の当たりにした翔、自分がおたえに心底嫌いな「公儀」に助けを求めてみてはと助言したのだから尚更おたえと太郎の事が気になるのであった。
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