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その日の深夜
町外れの廃屋。
小さな明かりが見える
その廃屋の中には三人の男…
男達は盗賊『黒鬼』一味、夜兵次、三郎、門助であった。
その廃屋に新たに二人の影が近づき戸を叩く。
ガラリと戸を開ける三郎。
二人を見るやいなや頭をペコリと下げる
廃屋の中に入ってきた二人組は覆面で顔を隠した侍であった。
腰掛ける二人組。
「馬鹿共め!!私がせっかく目を掛けてやったのにヘマなどしおって!!」
一人の侍が黒鬼一味に罵声を浴びせる。
「申し訳御座いません!必ずあのガキは我々が!」
土下座をする黒鬼一味。
「その事だが例の子供の居場所がわかった。」
もう一人の覆面侍が口を開いた。
「ほっ!本当ですかぃ?」
夜兵次が尋ねる。
「子供の名前は太郎、向島町島崎長屋に住むおたえの息子…口は利けないが…見られたからには消さねばなるまい。さぁ!往け!!」
「はい!!」
三人組は廃屋を出て行く。
廃屋に残った二人の侍は…
「念の為だお前も往け…」
「はい…矢島様が奉行になる日の為に。…」
「期待してるぞ笹川!!ふふふふ…はっはっはっ!!」
この二人組の覆面侍は北町奉行筆頭与力矢島大各と同心笹川であった。
黒幕は遂に動き出し欲望の牙をむき出した。
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