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向島町…
通りを歩く男が2人
翔と三太郎であった。
「やっぱ翔さんは、お人好しだねぇ」
ニヤニヤと笑う三太郎
「うるせぇ!」
ツンとクールな態度をとる翔。
翔はやはり太郎親子の事が気になり島崎長屋に向かっていた。三太郎はオマケみたいなものである。
ピタリと翔の足が止まる。
三太郎、翔の背中にぶつかる。
「あいた!翔さんどうしたの?」
「誰かいる…」
翔の第六感が働く。元々山育ち、父親は猟師、幼い頃から山の動物達と戯れて育った翔は凡人と違い聴覚が鋭かった。
建物の影からギラギラと翔達を伺う目。
「頭…奴だ…」
「ちっ…厄介な野郎だ、三郎てめぇはガキを消せ!あいつには恨みがある、俺と門助で殺してやる!」
「わかりやした頭!」
一人はおたえの家の方へ向かう。
黒い般若面をしている正に「黒鬼」一味である。
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